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更新2021.01.27

 

HOME研究発表アロニア果汁中に存在する血糖値及びHbA1c値上昇抑制物質の探索

学会発表

アロニア果汁摂取による高血糖・肥満抑制とその遺伝子発現変化

山根拓也

第89回 日本生化学会大会 2016年9月25日~27日

要約

アロニアは北米原産の果実で、抗酸化をはじめとする様々な効能があることが知られている。これまでの研究で我々はアロニア果汁に血糖値や肥満を抑制する効果があることを見出し、それはジペプチルペプチダーゼIVとα-グルコシダーゼの阻害を通して起こることを明らかにした。さらに、高脂肪食摂取による肝臓の繊維化を防ぐ機能があることも、これまでに見出している。本研究において、これらの現象とアロニア摂取による遺伝子発現変化の関係性を調べるために、次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析を行った。その結果、アロニアを摂取した高脂肪食摂取マウス肝臓においてIgfbp1Gadd45gなどの遺伝子発現が増加しておりArrdc3は減少していた。現在、糖尿病におけるアロニア果汁摂取による高血糖抑制および肥満改善効果について、これらの遺伝子発現変化との関係性を調べるために、アロニア果汁を摂取させたKKAyマウスを用いて検討を行っており、合わせて報告する。

 

アロニア摂取により肥満が改善されることが報告されています(図1)。

 
F1

図1 アロニア果汁摂取による肝臓における遺伝子発現変化

 

その他の臓器においても発現変化が認められました(図2)。

 
F2

図2 その他の臓器における遺伝子発現変化

 

以上の結果から、C57BL6およびKKAyマウス肝臓において顕著にArrdc 3遺伝子発現が減少することが判明しました。また、Igfbp1Gadd45gなどの遺伝子は肝臓よりも腎臓や小腸、脾臓での発現変化の方が大きいことが明らかとなりました。

 
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