HOME>植物ベースのヨーグルト>ノンデイリーPLANTA>ECGC13110402株によるコレステロールの低下
イギリスのローハンプトン大学のアデル・コスタビレら※1)の研究によると、正常から軽度のコレステロール血症の60歳以上の被験者に、6~12週間カプセル化したプランタルム菌(Lactobacillus plantarum ECGC13110402, 以下、プランタルムECGC13110402と表記)を2×109投与したところ、総コレステロール(37.6%)、LDL-コレステロール(13.9%)、中性脂肪(53.9%)が有意に減少し、HDL-コレステロール(14.7%)が有意に増加しましたと報告しています。
同大学のエンヴェル・ケレスザードら※2)は、高コレステロール血症成人16人を対象に、二重盲検プラセボ対照ランダム化試験により、プランタルムECGC13110402のコレステロール低下能力を評価しました。被験者はプランタルムECGC13110402を摂取するアクティブ群(n=8)と摂取しないプラセボ群(n=8)の2群に分け、アクテエィブ群にはカプセル化した4×109のプランタルムECGC13110402を6週間にわたって1日1回摂取し、その後3週間のウオッシュアウトを行いました。空腹時の血液サンプルを採取して血中脂質を分析したところ、プラセボと比較して、総コレステロール34.6%、LDL-コレステロール28.4%、非HDLコレステロール17.6%、アポBが28.6%減少し、統計的に有意な減少が認められました。アポBは、血中の脂質を運ぶタンパク質で、脂質代謝やコレステロール代謝に重要な役割を担っています。アポBの値が高いと動脈硬化性疾患の危険因子となるため注意が必要です。
図2は、同試験におけるアクティブ群とプラセボ群の摂取前から9週間までの血中脂質バイオマーカー濃度に示しています。総コレステロール(A)、LDLコレステロール(B)、非HDLコレステロール(C)、およびアポB(D)はアクティブ群の6週間にわたって減少効果を示していますが、この効果はプラセボ群では見られません。
この研究結果はプランタルムECGC13110402の摂取後の総コレステロール、LDL-コレステロール、非HDL-コレステロール、アポBなどの冠状動脈性心疾患パラメーターが改善することを示しています。さらに、プランタルムECGC13110402は、強い胆汁酸塩加水分解酵素活性を有し、胆汁酸塩を脱抱合し、胆汁酸の溶解を下げて糞便中に排泄されることにより、コレステロールの腸管再循環を断って血中コレステロール値をさげ、動脈硬化を防ぎ心血管疾患のリスクを軽減する可能性を示しています。
参考文献
※1)Adele Costabile, Ivan Buttarazzi, Sofia Kolida, Sara Quercia, Jessica Baldini, Jonathan R. Swann, Patrizia Brigidi, Glenn R. Gibson, An in vivo assessment of the cholesterollowering efficacy of Lactobacillus plantarum ECGC 13110402 in normal to mildly hypercholesterolaemic adults.Journal.pone.0187964 December 11, 2017
※2)Enver Keleszade ,Sofia Kolida,、Adele Costabile, The cholesterol lowering efficacy of Lactobacillus plantarum ECGC 13110402 in hypercholesterolemic adults: a double-blind, randomized,placebo controlled, pilot human intervention study. Journal of Functional Foods 89 (2022) 104939