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ケフィアとカスピ海ヨーグルト
巷間カスピ海のヨーグルトなるものが流布しているようですが、「ケフィアと同じですか」という問い合わせがこのところ多くなってきました。その誤解を解くために、現在わかっている範囲でケフィアとカスピ海のヨーグルトを比較して、表にまとめてみました。
ケフィア | カスピ海ヨーグルト | |
由来 | コーカサス地方の伝統的醗酵乳として有名。乳業関係の文献に多数記載がある。 | 古今の文献に記載がない。名前は日本で造語されたと思われる。
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性状 | ソフトカード(全体が絹ごし豆腐のように固まる)。 |
山芋のような粘りがある。 表面に黄色い膜が出来る。 |
発酵菌 | ケフィア粒(酵母と乳酸菌が共生する塊)、乳酸菌の種類が多く、ときに酢酸菌も見られる。(ホームメイド・ケフィアは酢酸菌を含まない)。 | 好気性菌であるグルコノバクター属*1の細菌と粘質物をつくる乳酸菌の1種クレモリス菌が主として醗酵に関与。ロイコノストック属の細菌も存在する。 |
発酵形式 | 乳酸菌と酵母の複合醗酵。 醗酵に空気が必要でない。 |
好気性菌と嫌気性菌の共生。空気がある方が醗酵し易い。 |
つくり方 | 凍結乾燥のケフィア菌を牛乳に加え、室温で醗酵。 |
出来たヨーグルトの一部を次の牛乳に加え、室温で醗酵。 |
安全性 | ホームメイド・ケフィアは1回ずつる使い切りだから衛生的。
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人から人に伝わり、何回も繰り返して使うので、雑菌で汚染する危険がある。 |
おいしさ | 酸味が少なくマイルドな風味。 カードがソフトで口解けがよく爽やか。 |
酸味が殆どなく、糸を曳くような粘りがあり、風味に乏しい*2
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健康 | 腸まで達する乳酸菌を含む | 腸に達する乳酸菌でない。 |
注*1 カスピ海ヨーグルトの菌はグルコノバクター属の細菌ではなく、酢酸菌(アセトバクター・オリエンタリス)である。(健康食品新聞 2003年2月15日号)
注*2 風味に関しては個人の嗜好の問題です。以前カスピ海ヨーグルトを利用し ていた方々の感想をまとめたものですが、カスピ海ヨーグルトを非難する意図は ありません。