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更新2021.01.27

 

HOME研究発表アロニア果汁中に存在する血糖値及びHbA1c値上昇抑制物質の探索

学会発表

アロニア果汁に含まれるアンジオテンシン変換酵素阻害物質の探索

小塚美由記

第70回日本栄養・食糧学会大会 2016年5月13日~15日

要旨

アロニアは北アメリカやロシアなどでも多く栽培され、その果実は直径5mmから1cmほどで秋に熟します。生でも食べられますが渋味が強く、食用には加工するのが通常で、他の果物のジュースと混ぜて飲料にしたり、果実酒、ジャムなどにすることもあります。アロニア摂取による血圧抑制効果について、これまでに報告されていますが、その抑制物質やメカニズムは良く分かっていません。本研究では高血圧モデルSHRラットにアロニア果実を摂取させ、高血圧を予防できるかどうか検討しました。また、体内におけるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害について調べ、果実抽出物と果汁にACE阻害活性があるかを測定しました。その結果、アロニア果実を摂取したSHRラットの血圧は摂取していないラットと比較して有意に低下しました。その腎臓においてACEが阻害されており、アロニア果実抽出物にACE阻害活性が存在することが明らかとなりました。さらに、SupelTM Sphere Carbon/NH2カラムでアロニア果実抽出物と果汁を分離したところ、未吸着分画にACE阻害活性が存在することが判明しました。今後、この分画に含まれる阻害物質の同定を行なっていく予定です。

 

アロニア果実摂取によりSHRラットにおける血圧が抑制されることが明らかとなりました(図1)。

 
F1

図1 アロニア果汁摂取による血糖値上昇抑制効果

 

このとき、SHRラット腎臓においてACE活性が阻害されていることが判明しました(図2)。

 
F2

図2 腎臓におけるACE活性阻害

 

さらに果実抽出物にACE阻害活性があることが明らかとなりました(図3)。

 

F3
図3 アロニア抽出物によるACE阻害
 

さらに、SupelTM Sphere Carbon/NH2カラムでアロニア果実抽出物と果汁を分離したところ、未吸着分画(分画1)にACE阻害活性が存在することが判明しました(図4)。

 

 
F4

図4 アロニア分画によるACE阻害

 

 

以上の結果から、アロニアにはACE阻害物質が含まれており、血圧上昇を抑制していると考えられました。
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