ブログ

動画

 

セキュリティポリシー

お電話でのお問合せ

0120-417-918

ヨイナケヒヤ

更新2021.01.27

 

HOME委託研究ホームメイド・ケフィアの乳酸菌

委託研究

ホームメイド・ケフィアの乳酸菌 

大阪大学微生物病研究所 湯通堂満寿男   
 ケフィアは、ロシアのコーカサス地方の伝統的発酵乳です。コーカサス地方では、各家庭でケフィア粒(Kefir grain)と呼ぶ黍状の種菌を受け継いできており、これを牛乳に加えて発酵させてケフィアを作っていました。この地方は長寿地帯として有名でしたので、世界中の研究者の注目を集めていました。研究者達はコーカサスの人々の食生活を調査し、健康長寿の原因としてケフィアを考え、コーカサスからケフィア粒を取り寄せて研究しました。
 その結果、ケフィア粒からは数十種類の乳酸菌と数種類の酵母が分離されましたが、研究者によって分離同定される乳酸菌や酵母の種類は必ずしも一致していません。おそらく家庭によって伝承してきたかケフィア粒に含まれている乳酸菌の種類が少しずつ違っていたものと思われます。
 カナダのローゼル社のブローシェ博士もコーカサスから取り寄せたケフィア粒を研究して、乳酸菌と酵母を分離同定し、科学的に管理された工場で純粋培養して、高活性ケフィア菌を製造することに成功しました。
 ホームメイド・ケフィア(弊社商標)は、ブローシェ博士の研究に基づいて製造された高活性ケフィア菌を、日本の製薬会社に委託して包装箱詰したものです。ホームメイド・ケフィアには、次の乳酸菌が含まれています。
乳酸菌 ラクトコッカス・ラクチス
ラクトコッカス・クレモリス
ラクトコッカス・ダイアセチラクチス
ロイコノストック・クレモリス
ラクトバチルス・プランタラム
ラクトバチルス・カゼイ
酵母 サッカロマイセス・フロレンチヌス
 ホームメイド・ケフィアを用いて発酵したケフィア中で、比較的検出率の高いコロニーを分離し、GAMブイヨンで培養して、それからゲノムDNAを分離して、PCR法で16SrRNAの遺伝子解析をしました。その結果、ラクトバチルス・カゼイ(カゼイ菌)、プラクトバチルス・プランタラム(ランタラム菌)、ラクトコッカス・ラクチス・サブスペーシーズ・ラクチス(ラクチス菌)、ラクトコッカス・ラクチス・サブスペーシーズ・クレモリス(クレモリス菌)が同定されました。
 上記4種の乳酸菌のインターフェロンγ(INF-γ)発現誘導作用を、マクロファージ系細胞(U937細胞)を用いたインビトロ試験により確認実験を行いました。
 先ず、それぞれの乳酸菌を加熱により不活性化し、マクロファージ系細胞に加えて培養して、培養40時間目にインターフェロンγの濃度を測定しました。何も加えないものおよび大腸菌を加えて培養したものを対照試験(コントロール)としました。
 次図に、インターフェロンγの測定結果を示します。

 上図から、無添加および大腸菌を添加した対照試験においては、インターフェロンγ濃度の上昇が見られませんが、ホームメイド・ケフィアから分離同定した4種の乳酸菌において40時間の培養によりインターフェロンγの濃度が上昇しています。特にラクチス菌においてインターフェロンγの上昇が著しいことがわかりました。
 インターフェロンγは、花粉症などのⅠ型アレルギーに関与する免疫グロブリンE(IgE)を抑制することがわかっていますので、ホームメイド・ケフィアから分離同定した上記4種の乳酸菌が、インターフェロンγを産出することに役立っている結果は大変重要なことであると思います。

(大阪大学医学部委託研究結果に基づく、なお本件は特許出願中です)

前のページに戻る