プランタルム菌の特徴

●プランタルム菌はその名(Plant:プラント)の通り、主として植物の発酵物(日本の漬物やドイツのザワークラウト、韓国のキムチなど)から分離される植物性乳酸菌です。現在はLactiplantibacillus plantarumに分類されています。

●胃酸・胆汁酸に耐性があり、生きて大腸に届きプロバイオティクスとして働きます。

●抗菌ペプチド(バクテリオシン)を産生し、腸内腐敗を防ぎます。

プロバイオティクスとしてのプランタルム菌の働き

プランタルム菌は最近もっとも研究されている乳酸菌のひとつです。数多くの研究論文からプロバイオティクスに関する論文を選んで紹介します。

プランタルム菌は、精神を安定させ、不眠を解消する可能性があります

 Ruizhe Zeu等は、プランタルム菌(l.plantarum JYLP-326、1.5×1010CFU)摂取した受験生は受験による不安、うつ、不眠を解消する効果があったと報告しています。

プランタルム菌は、動脈硬化を予防し、全身性炎症を軽減する可能性があります

 動脈硬化が進むと脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクが増します。動脈硬化は血管内皮の機能低下から始まると考えられ、上腕動脈血流媒介拡張(FMD)検査によって、脳梗塞や心筋梗塞の可能性を予防できます。
 Mobin Malik等は、冠動脈疾患患者にプランタルム菌(L.plantarum 299v、2×1010CFU)を摂取させることによって、内皮依存性の血管拡張が改善され、全身性炎症が軽減されたと報告しています。

プランタルム菌は、過敏性腸症候群(IBS)症状を軽減する可能性があります。

 Philippe Ducrotte等は、プランタルム菌(L.plantarum 299v:1×1010CFU)の摂取によって、過敏性腸症候群の症状、特に腹痛を軽減できると報告しています。

プランタルム菌は、認知機能を高める可能性があります

 Ounilla Onning等は、健康だがストレスを受けた人を対象にしたプラセボ対象試験で、プランタルム菌(Lpb.plantarum HEAL9:1×1010CFU)を摂取すると認知機能にプラスの効果があり、特に単語想起テストに効果があったと報告しています。