ケフィアニュース

Volume 31.Number 1(September 1.2025)

コレステロールが気になる方に
“ノンデイリーPLANTA” をお勧めします

心血管疾患は世界中で主要な死亡原因となっています。脂質異常症、特にLDL-コレステロールの異常値は、心血管疾患の主要な危険因子であり、LDL-コレステロールが1.0mmol/L 低下するごとに、主要な血管障害の年間発生率が5分の1強低下すると推定されています。心疾患予防のための食事療法は効果的であるものの、低コレステロール/低飽和脂肪食を長期的に維持するのは難しく、時間の経過とともに効力が低下します。高コレステロール血症患者の血清脂質を正常化するために、数多くの医薬品が世界中で使用されていますが、これらの薬剤の大部分は、筋肉痛、糖尿病、腎機能の低下、うつ病様症状の増加などの副作用を引き起こします。スタチンは現在、コレステロール管理に最も一般的に使用されていますが、スタチンを使用している患者の30%以上が筋肉痛を経験しています。血中コレステロールを改善するための非薬物療法への関心が高まっています。これには、副作用のリスクがないプロバイオティクスが含まれます。プロバイオティクスによるコレステロール除去のメカニズムはいくつか考えられます。プロバイオティクス菌の細胞表面へのコレステロールの吸着、コレステロール還元酵素の活性、胆汁酸塩加水分解酵素による胆汁酸の脱抱合などです。ノンデイリーPLANTAに含有しているLactobacillus plantarum ECGC13110402 は、高い胆汁酸塩加水分解酵素活性とコレステロール低下活性を持つプロバイオティクスです。Lactobacillus plantarum ECGC13110402のコレステロール低下作用について、2ページに詳細に説明しています。

有機JASメープルシロップの発売

 カナダグレードAゴールデン(デリケートテイスト)オーガニックメープルシロップ250mlビンを発売しました。
 ゴールデンメープルシロップは、口の中に甘さが残らない、やわらかくデリケートな味わいで、ケフィアやヴィーリ、BIFIY、PLANTAに、ほんの少しかけるだけで、“幸せを感じる”美味しさです。
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ノンデイリーPLANTA に含有する
プロバイオティクス乳酸菌
プランタルム菌ECGC13110402株の
LDL-コレステロール低下作用について

有限会社中垣技術士事務所
代表取締役 中垣剛典

ノンデイリーPLANTAの第一の特徴は、乳製品を使用していない植物ベースのスターターカルチャー(種菌)であることです。このことはミルクアレルギーの方や、牛乳を飲むと下痢をする乳糖不耐症の方には朗報であると思います。また牛乳に比べ豆乳で発酵させると環境負荷が低いことも環境に配慮する方々に受け入れられやすい特徴です。
  ノンデイリーPLANTAの第二の特徴は、植物由来のプロバイオティクス乳酸菌プランタルム菌(Lactobacillus plantarum ECGC13110402)で発酵させることです。

1.胆汁酸塩加水分解酵素

プロバイオティクスは“ 適切な量を摂取するとヒトに健康上の利益をもたらす生きた微生物” と定義されています。FAO/WHO によれば、従来はヒトの消化管から分離された微生物のみが、プロバイオティクスとしての使用を推奨されていました。しかし、新たな証拠により様々な発酵食品に関連する微生物のプロバイオティクスとしての可能性が強調されるようになり、起源に関係なく胆汁酸塩を加水分解する能力が、プロバイオティクスの選択基準に含まれるようになりました。
 経口摂取された微生物は胆汁などのヒトの防御システムに遭遇します。胆汁および胆汁酸に耐える微生物の能力が消化管内での生存にとって重要です。胆汁酸塩加水分解酵素活性による胆汁酸代謝は、プロバイオティクス株を選択するための重要なEFSA 基準です (EFSA:欧州食品安全機関)。プランタルム菌(Lactobacillus plantarum ECGC13110402)は胆汁酸代謝が可能であり、胆汁酸に関連したストレスに耐えて増殖することができ、これが胃腸消化管で生存可能なプロバイオティクスとしての重要な特徴です。

プロバイオティクス菌株の胆汁酸塩加水分解酵素活性は、通常、高コレステロール血症患者の血清コレステロール値を下げる能力と相関しています。胆汁酸は肝臓内でコレステロールから生成されます。コール酸は一次胆汁酸に属し、肝細胞によって合成され、グリシンまたはタウリン抱合体として腸管に排出されます。プロバイオティクス菌は図に示すようにグリシンまたはタウリンに結合した胆汁酸塩の脱抱合を触媒する胆汁酸塩加水分解酵素を生成する能力を持っています。
 胆汁酸塩加水分解酵素は、胆汁の有害な影響を最小限に抑えることができるため、消化管内での細菌の生存を高める役割を果たします。胆汁の加水分解は細菌自体に利益をもたらしますが、同時に管腔内の胆汁酸塩の脱抱合も増加し、コレステロールの腸肝再循環を妨げます。脱抱合されると胆汁酸は溶解性が低下し、糞便中に排泄され、高コレステロール血症の人のコレステロール値を下げる効果があります。

2.プランタルム菌ECGC13110402株

系統発生学的に多様なLactobacillus菌株の系統的in vitro スクリーニングの結果、Lactobacillus plantarum ECGC13110402は、高い胆汁酸塩加水分解酵素活性(2.6μmol/hr/e10cells)、コレステロールを77.9% 減少させる能力、胃酸、膵酸、胆汁酸に対する高い優先耐性、凍結乾燥時の高い生存率を兼ね備えた最も有望な菌として特定されました。ノンデイリーPLANTAに含まれているプランタルム菌(Lactobacillus plantarum ECGC13110402)は、高い胆汁酸加水分解酵素活性とコレステロール低下活性を持つプロバイオティクス乳酸菌です(以下、プランタルムECGC13110402と表記)。
イギリスのローハンプトン大学のアデル・コスタビレらの研究(1)によると、正常から軽度のコレステロール血症の60歳以上の被験者に、6~12週間カプセル化したプランタルムECGC13110402を2×109投与したところ、総コレステロール37.6%、LDL-コレステロール13.9%、中性脂肪53.9%が有意に減少し、HDL-コレステロール14.7%が有意に増加したと報告しています。
 同大学のエンヴェル・ケレスザードら(2)は、高コレステロール血症成人16人を対象に、二重盲検プラセボ対照ランダム化試験により、プランタルムECGC13110402のコレステロール低下能力を評価しました。被験者はプランタルムECGC13110402を摂取するアクティブ群(n=8)と摂取しないプラセボ群(n=8)の2群に分け、アクティブ群にはカプセル化した4×109のプランタルムECGC13110402を6週間にわたって1日1回摂取し、その後3週間のウォッシュアウトを行いました。空腹時の血液サンプルを採取して血中脂質を分析したところ、プラセボと比較し、総コレステロール34.6%、LDL-コレステロール28.4%、非HDL-コレステロール17.6%、アポBが28.6%減少し、統計的に有意な減少が認められました。アポBは、血中の脂質を運ぶタンパク質で、脂質代謝やコレステロール代謝に重要な役割を担っています。アポBの値が高いと動脈硬化性疾患の危険因子となるため注意が必要です。
 図2は、同試験におけるアクティブ群とプラセボ群の摂取前から9週間までの血中脂質バイオマーカー濃度を示しています。総コレステロール(A)、LDL-コレステロール(B)、非HDL-コレステロール(C)、およびアポB(D)はアクティブ群の6週間にわたって減少効果を示していますが、この効果はプラセボ群では見られません。


この研究結果はプランタルム菌ECGC13110402株の摂取後の総コレステロール、LDL-コレステロール、非HDL-コレステロール、アポBなどの冠状動脈性心疾患パラメーターが改善することを示しています。さらに、プランタルムECGC13110402 は、強い胆汁酸塩加水分解酵素活性を有し、胆汁酸塩を脱抱合し、胆汁酸の溶解性を下げて糞便中に排泄されることにより、コレステロールの腸管再循環を断って血中コレステロール値をさげ、動脈硬化を防ぎ心血管疾患のリスクを軽減する可能性を示しています。
 図3に、高ステロール血症の成人におけるプランタルムECGC13110402 のコレステロール低下作用の概念図を示します。

参考文献

  1. (1) An in vivo assessment of the cholesterollowering efficacy of Lactobacillus plantarum ECGC 13110402 in normal to mildly hypercholesterolaemic adults. Adele Costabile et al.,PLOS ONE | https://doi.org/10.1371/journal.pone.0187964 December 11, 2017
  2. (2) The cholesterol lowering efficacy of Lactobacillus plantarum ECGC 13110402 in hypercholesterolemic adults: a double-blind, randomized,placebo controlled, pilot human intervention study. Enver Keleszade et al., Journal of Functional Foods 89 (2022) 10493:

【文献紹介】ショ糖をメープルシロップに置き換えることによる代謝上の利点

天然甘味料であるメープルシロップは、精製ショ糖の代替品として大きな関心を集めています。メープルシロップはポリフェノールやイヌリンなどいくつかの生理活性化合物を含む天然甘味料です。
 ここに紹介する研究論文は、高脂肪高ショ糖食を与えられたマウスの総カロリー摂取量の10%をメープルシロップに置き換えて、肝臓への影響を調査しています。
 メープルシロップは肝臓の重量には変化を与えませんでしたが、高脂肪高ショ糖食を与えられたマウスに比べ、ショ糖の10%をメープルシロップに置き換えた高脂肪メープルシロップ食を与えられたマウスは、下図に示すように肝臓の中性脂肪が有意に低下しました。

これは炭水化物の消化と吸収に関与する腸管の炭水化物加水分解酵素α グルコシダーゼ活性の低下によって説明できます。メープルシロップには、リグナン、クマリン、スチルベンなどのポリフェノールが含まれており、樹液を濃縮してメープルシロップをつくる過程でケベコールという新しいポリフェノールができることもわかっています。これらのポリフェノールはα グルコシダーゼを阻害し、炭水化物の消化吸収を妨げることによって肝臓に脂肪が蓄積することを防ぎます。

紹介文献

  1. Arianne Morissette et al.,Am J Physiol Endocrinol Metab 325: E661–E671, 2023

価格改定のお願い

円安や原料価格の値上がりなど弊社の経営環境は厳しさを増しており、広告費や包装作業の合理化など経費削減に努め、原価上昇を商品価格に転嫁することを出来るだけ抑えてまいりましたが、その努力も限界に達しました。
 消費者物価の高騰や電気代の値上がりなど、いずれのご家庭も家計の厳しさが増している折から、誠に心苦しい限りではございますが、下記の通り値上げをさせていただきます。

時期: 10 月1日より
商品: ホームメイド・ケフィア、ホームメイド・ヴィーリ、プロバイオティクスBIFIY、ノンデイリーPLANTA およびその関連商品、有機JAS100%アロニア果汁、牛乳。
値上値10%(牛乳は3.16%)

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弊社はご注文いただいた全てのお客様に会員登録をしていただき、常にお話ができる関係が築けることを期待しています。

【編集後記】

 本文で紹介した研究論文ではプランタルムECGC13110402をカプセル化して摂取していますが、プランタルムECGC13110402で発酵させたヨーグルトを摂取する方が、ヨーグルトの摂取量にもよりますが、より多くの菌数を摂取できる可能性があります。

 ノンデイリーPLANTA は豆乳ヨーグルトのスターターとして販売していますが、プランタルムECGC13110402 の胆汁酸塩加水分解酵素のLDL-コレステロール低下作用は、牛乳で発酵しても豆乳で発酵しても変わりません。豆乳ヨーグルトの風味が好みでない方は牛乳で発酵させてください。

(編集子 中垣剛典)

Volume 31 Number 1 (September 1. 2025)
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