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更新2012.2.1

 

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スキムミルクヨーグルトダイエット

共立女子大学名誉教授  中澤勇二

 2008年4月に特定健診制度が始まったこともあり、肥満があらゆる成人病の原因であるという認識が広がり、ダイエットはスタイルを気にする若い女性のみでなく、すべての世代で男女を問わず関心が高まっている。言うまでもなく肥満は摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスが原因であり、肥満解消には摂取カロリーの制限と軽度の運動が必須である。

 ところでアメリカの栄養学者の研究1)によると、ダイエットのために食事のカロリーの制限は当然であるが、食事中のカルシウムの含有量がダイエットの効果に影響することがわかった。テネシー大学のZemelらはメイヤー病院のThompsonと共同して、41名(最終的に32名)の肥満成人を、1)低カルシウム食(対照食)、2)高カルシウム食、3)高乳製品食の3グループに分け、24週間の体重および体脂肪の変化を調査した。低カルシウム食のカルシウム含有量は400mg~500mg/日、高カルシウム食は低カルシウム食に炭酸カルシウムで800mg補足してカルシウム含有量を1200mg~1300mg/日に調整、高乳製品食は低カルシウム食に乳製品を加えてカルシウム含有量を1200mg~1300mg/日に調整した。いずれのグループも摂取カロリーが同じになるように調整し、通常の食事より500キロカロリー少ないエネルギー制限食を用いた。

第1表 被験者の特性

性別 女性34名 男性7名
平均年齢 46±8
BMI(Kg/m2) 35.0±4.1
収縮期血圧 130±10
拡張期血圧 80±8
LDLコレステロール 137±33
HDLコレステロール 47±12
中性脂肪 142±63

第1図に、被験者の試験前後の体重の変化を示した

 第1図をみると、摂取カロリーが同じであっても、低カルシウム食よりも高カルシウム食を摂取した方が体重の変化が大きい。また同じカルシウム量を摂取しても、炭酸カルシウムよりも乳製品のカルシウムの方が体重低下が大きいことがわかる。

 第2図に体脂肪の変化を、第3図に腹部脂肪の変化を示した。

 第2図と第3図を比較すると、いずれも低カルシウム食よりも高カルシウム食および高乳製品食の方が脂肪の減少率が大きいが、腹部脂肪に関してはカルシウムの効果がより顕著である。

 Zemelらによるとカルシウムは内臓脂肪の燃焼効果があるためであると述べているが、この効果は炭酸カルシウムよりも乳製品のカルシウムが優れているようである。

  特定健診制度によると、腹囲を測定してメタボリックシンドロームの診断をすることになっているが、第4図をみるとカルシウム摂取の腹囲減少効果が大きい。特に乳製品のカルシウムを摂取すると腹囲の減少が大きい。高カルシウム食に比べて高乳製品食の脂肪燃焼が高いのは、牛乳に含まれるある種の成分が脂肪の燃焼を促進している可能性がある。従ってメタボ対策として乳製品からカルシウム摂取することは有効であるようだ。

 スキムミルクは100g当たり1100mgのカルシウムを含有しているから、スキムミルクを添加して高カルシウム食のカルシウム含有量を調整していると思われる。

 牛乳中のカルシウムは乳酸発酵によってイオン化され吸収しやすくなる。数年前にアメリカからもたらされ、日本でも大流行したスキムミルクヨーグルトダイエットは、Zemelらのこの研究データに基ずくものであろう。

 筆者の著書“スキムミルクヨーグルト”2)にも記しているが、パデユー大学のTeegardenらの研究によると、1日の摂取カロリーが1900キロカロリー以下の標準体重の若い女性が、1日1000mgのカルシウムを摂取すると体脂肪が減少すると報告している。1日1000mgのカルシウムを乳製品から摂取するのは容易ではないが、著者はヨーグルトにスキムミルクを混ぜる方法を勧めている。このスキムミルクを適量のヨーグルトに加えれば、カロリーを抑えながら一度に取れるカルシウムの量を簡単に増やすことができる。著者が推奨しているスキムミルクヨーグルトの作り方は、市販ヨーグルト400mlにスキムミルク60gを加えよく混ぜて12時間放置する方法である。

 最近ヨーグルト発酵用の種菌が販売されるようになったので、これを使ってスキムミルクヨーグルトを作ることもできる。市販の低脂肪牛乳1000mlに、スキムミルク100gを溶かして沸騰直前まで加温し、攪拌しながら40℃程度まで冷まし、市販のヨーグルト用の種菌(例えばプロバイオテイクスGBN1)を加えて、ヨーグルト発酵用の発酵器を用いて発酵させる。同じように市販の無脂肪牛乳にスキムミルクを加えて発酵させることもできるし、スキムミルクを水に溶かしてスキムミルクのみのヨーグルトを作ることも可能である。スキムミルクを加えることによってヨーグルトのカード(固まり)が硬くなるので、ヨーグルトがお好みの固さになるように、スキムミルクの量を加減して発酵させることもできる。

引用文献

1)Calcium and Dairy Acceleration of Weight and Fat loss during Energy Restriction in Obese Adults. Michael B. Zemel, Warren Thompson, Anita Milstead, Kristin Morrisand Peter Campbell. OBESITY RESERCH Vol.12No.4 582-590(2004)

2)スキムミルクヨーグルト 中澤勇二著 マキノ出版 (2005)

参考文献

Parathyroid hormone is associated with decreased fat mass in young healthy women.
 W Gunther, PA legowski, RM lyle, CM Weaver, LD McCabe, GP McCabe, M Peacock And D  Teegarden International Jounal of Obesity Vol30 94-99 (2006)

Functions of Fermented ilk-Challenges for the Science Nakazawa. Y and Hosono A
 Elsevier Applied Science, London and New York (1992)

著者紹介

 1938年長野県生まれ。東北大学大学院博士課程修了(農学博士、農芸化学専攻)。

 ミルク科学・生産工学の世界的権威。学会賞、日本産業映画賞、社会文化功労章、国際文化栄誉賞など数々の賞を受賞。政府審議委員、共立女子大学大学院教授、放送大学客員教授。テレビ、雑誌などで活躍中。詩人、随筆家でもある。

 著書に「乳・肉・卵の科学」「ミルクの不思議を科学する」「ミルク先端機能」「食物心理学」「おいしいクスリ・牛乳乳製品」「牛乳でキレイになる」「やせるスキムミルクヨーグルト」など多数。

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